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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

執筆者の写真tkk-lab

Q604.インドに製品を輸出した場合のインドRoHS対応について

2021年10月15日更新

【質問】

当社は産業機械用のセンサーユニットを製造販売しています。 インドの商社から注文が来ましたがインドRoHSの対象となるでしょうか。

 

【回答】

インドのRoHS対応は、E-Waste (Management) Rules, 2016(2016年電気電子機器廃棄物(管理)規則1):以下「本規則」と記述)で規定されています。 本規則の別表1で、規制対象となる電気電子機器は、IT機器・通信機器(コンピュータ他17品目)と家電製品・民生用電気電子機器(テレビなど5品目)と定められています。 ご照会の産業機械用センサーユニットは、産業機械のみに使用されるのであれば上記規制対象機器には該当しませんので、規制対象外と考えられます。 但し、本規則第2条に、別表1の規制対象機器の構成部品や消耗品、スペアパーツに使用される機器の生産者にも本規則は適用される、とされています。 御社の産業機械用センサーユニットが、別表1に記載の規制対象機器の構成部品や消耗品、スペアパーツに使用されないことを、注文先のインドの商社に確認しておくことが肝要です。


商社が対象製品の部品として販売を考えている、またはその可能性がある場合には対象となりますので、以下に簡単にインドRoHSのポイントを説明します。


【規制対象機器】

本規則で対象となる電気電子機器を別表1に定めています。

別表1で定められている規制対象製品は、以下です。


(1) IT機器、通信機器

・集中情報処理のメインフレーム(大型コンピュータ、ミニコンピュータ)

・パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ

・ノートブック型コンピュータ、ノートパッド型コンピュータ

・プリンター(カートリッジを含む)、コピー機

・電気、電子タイプライタ

・ユーザー端末およびそのシステム

・ファクシミリ、テレックス

・電話機、公衆電話、携帯電話、コードレス電話、留守番電話 


(2) 家電製品、民生用電子機器

・テレビ(液晶ディスプレイ、発光ダイオード関連機器を含む)

・冷蔵庫

・洗濯機

・エアコン(集中空調システムは含まない)

・蛍光灯など水銀を使用しているランプ


なお、上記規制の除外用途は、本規則の別表2に定められています。


【特定有害物質】

本規則の第16条の(1)項で、以下の6種類の物質が特定有害物質に指定されています。


(1) 鉛

(2) 水銀

(3) カドミウム

(4) 六価クロム

(5) PBB(ポリ臭化ビフェニル)

(6) PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)


別表1に含まれる製品の生産者は、上記6物質に対して、その製品や部品においての均質材料あたり、最大許容値(カドミウムは0.01重量%、それ以外の物質は0.1重量%)を超えて含有してはならないとしています。


本規則の16条(5)項で、すべての生産者は、機器の構成要素とその部品、消耗品、スペアパーツの詳細情報と、上記有害物質削減規定に対する適合宣言をユーザー文書として提供することが、要求されています。


なお、本規則における生産者とは第三条で、販売業者、小売業者などを含む以下の者と定義されています。


(1)自社ブランドで電気電子機器およびその部品、スペアパーツ、消耗品等を製造、販売する者

(2)他の製造者、サプライヤーによって生産された電気電子機器、その部品

スペアパーツ、消耗品等を自社ブランドで販売する者

(3)輸入された電気電子機器およびその部品、スペアパーツ、消耗品等を販売する者


【拡大生産者責任】

インド版のRoHSである本規則の特徴として、「拡大生産者責任」(Extended Producer Responsibility:EPR)の規定があります。 EPRとは、電気電子機器の生産者に対して、環境的に配慮した廃電気電子機器(WEEE)の処理ルートを構築する責任のことです。 生産者は自社WEEEを回収し、認定解体業者またはリサイクル業者に引き渡す義務があり、単独または共同で回収システムの確立または収集センターを設置する必要があります。 これらの処理ルートを確立して承認を取らなければ、インド国内で電気電子機器を販売することはできません。


生産者は本規則のForm-1でEPR計画を作成し、中央公害管理委員会にEPRの承認を求める申請をして、承認を得る必要があります。 また、Form-2に示すWEEEの記録を作成・保管し、中央公害管理委員会の検査時に利用可能とする必要があります。


【参考資料】


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