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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

Q690.包装材に白色ワセリンを塗布した場合のミネラルオイル規制対応について

執筆者の写真: tkk-labtkk-lab

2024年07月05日更新

【質問】

当社の製品を品質維持のために製品を直接ラップする包装材に白色ワセリンを塗布しています。当社製品は美容小物でフランスの輸入者から引き合いがきており、ミネラルオイル規制対応の必要性を教えてください。

_________________________________________


【回答】

フランスにおいて、包装材でのミネラルオイルの使用は制限されていますが、現時点では印刷インキが対象です。

ご質問の白色ワセリンはミネラルオイルの塗布剤であり、制限対象とはなっておらず、貴社製品の輸出にあたっては、現時点においては規制への対応はありません。

フランスでの環境関連の規制はCode de l'Environnement(環境法典)で規定されています1)。包装材におけるミネラルオイルの規制は、廃棄物と循環経済に関する法律(L2020-105)の第112条にて、以下のように規定されました2)。条文では、規制対象を包装材としておりインキなどの特定はしていません。

(1) 2022年1月1日以降、包装材にミネラルオイルの使用を禁止

(2) 2025年1月1日以降、一般向け印刷へのミネラルオイルの使用を禁止。商業宣伝目的の未承諾広告及びカタログへの使用は2023年1月1日から禁止。

(3) 適用条件は政令によって定める。


(3)の適用条件については、廃棄物のリサイクルを阻害し、または人の健康にリスクをもたらすリサイクル材料の使用の制限を目的として、環境法D543-213で広告チラシ・カタログのミネラルオイル制限と、環境法D543-45-1で包装材のミネラルオイル制限を規定しています3)4)。

対象物質については、D543-213及びD543-45-1ともに、「命令によって定める」としています。


2022年初からの施行としていましたが、実際には遅れて「一般向けの包装・印刷物への使用が禁止されるミネラルオイルに含まれる物質を特定する命令(Arrêté du 13 avril 2022)(以下、命令)」により規定されて、2023年1月からの施行となりました5)。


命令の第1条で、「『ミネラルオイル』とは、インキの製造に使用される石油炭化水素に由来する原料から製造される油」と規定しています5)。


具体的な制限値については、命令の第2条により次の物質のインキへの使用を禁止しています5)。

(1) 1~7つの芳香環を含むミネラルオイル由来の芳香族炭化水素(Aromatic mineral oil hydrocarbons、以下MOAH)

(2) 16~35個の炭素原子を含むミネラルオイル由来の飽和炭化水素(Saturated petroleum hydrocarbons、以下MOSH)


規制内容として、この政令の施行日(2023年1月1日)から2024年12月31日までは、MOAHの濃度が1wt%を超えるインキの使用が禁止されています。

2025年1月1日以降は、MOSH及び1~2つの芳香環を含むMOAHの濃度が0.1wt%を超える場合、3~7つの芳香環を含むMOAHの濃度が1ppmを超える場合に使用が禁止されます。

フランスにおける規制は、包装材及び一般向け印刷物へのミネラルオイルの使用禁止を目的としています。

命令により、現時点ではインキを対象としていますが、将来的にはコーティング剤やニスなどインキ以外の材料であってもMOAH及びMOSHを含有している場合には規制される可能性があります。


従って、貴社で塗布剤として使用されている白色ワセリンは、現時点で規制への対応は求められていません。

将来的な対応として、組成の確認を行い、MOAHまたはMOSHが含まれる場合には代替物質の検討が考えられます。



1) フランス環境法典(Code de l'environnement)


2) 廃棄物と循環経済に関する法律(L2020-105)の第112条


3) フランス環境法典 D.543-213


4) フランス環境法典 D.543-45-1


5) 一般向けの包装・印刷物への使用が禁止されるミネラルオイルに含まれる物質を特定する政令(Arrêté du 13 avril 2022)

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