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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

執筆者の写真tkk-lab

Q648.韓国に電気電子製品を輸出する際の規制対象物質について

2024年09月13日更新

【質問】

韓国に電気電子製品を輸出しようとしていますが、規制対象となっている6物質に対応しておけば良いでしょうか?

_________________________________________


【回答】

韓国に電気電子製品を輸出する際に適用される法規制は、韓国版RoHS法と呼ばれる「電気・電子製品及び自動車の資源循環に関する法律(*1)」です。「電気・電子製品及び自動車の資源循環に関する法律」は、2023年8月に改正が行われ、現在の制限物質は10物質です。したがって、貴社が韓国に電気電子製品を輸出する場合、この10物質について対応する必要があります。対象となる10物質について、以下に記載します。


【対象となる10物質】

・鉛

・水銀

・六価クロム

・PBB

・PBDE

・カドミウム

・フタル酸エステル類4種(DBP、DIBP、BBP、DEHP)


最大許容濃度はカドミウムが0.01重量%未満、それ以外が0.1重量%未満となっています。


◆事業者の責務

 「電気・電子製品及び自動車の資源循環に関する法律」は、有害物質の使用を抑制し、リサイクルしやすいように製造し、かつ、電気・電子製品及び自動車のリサイクルを促進するため、資源を有効に活用することを目的としています。この中で第5条に事業者の責務を記載しており、第5条3項に10物質の制限物質を中心とする有害物質の使用抑制を挙げています。また、第5条4項はリサイクルしやすい製品の製造、またはリサイクルしやすい製品の輸入を挙げており、貴社はこの点についても対応する必要があります。


 「電気・電子製品及び自動車の資源循環に関する法律」の第5条に関連する対応として、第11条では電気 ・電子製品の製造者及び輸入業者に対し、有害物質の含有量基準と年間リサイクル可能率の遵守状況を独自に確認又は評価し、公表することを要求しています。公表する方法は、「電気・電子製品及び自動車の資源循環に関する法律施行令(*2)」の第11条にて、環境部で構築される「運営管理情報体系」または貴社が運営するウェブサイトに掲載して運営管理情報体系の運営機関長に通知することが規定されています。これらの情報の公表は、出荷日から3か月以内に実施する必要があります。

 また、「電気・電子機器・自動車資源循環法施行令」の第12条では廃電気・電子機器製品のリサイクルを推進するため、組成情報などリサイクル方法に関する情報について企業秘密を侵害しない範囲で提供することが要求されています。提供方法は書類またはリサイクル情報を含む電子媒体、出荷または輸入の6か月以内であれば「運営管理情報体系」または貴社が運営するウェブサイトへ掲載することによる通知も認められています。

 貴社におかれましては、制限物質に規定されている10物質への対応とともに、リサイクルに関する情報提供の体制も整備しておく必要があるように思えます。


(*1) 電気・電子製品及び自動車の資源循環に関する法律


(*2)電気・電子製品及び自動車の資源循環に関する法律施行令

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