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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。

法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家の判断によるなど、最終的な判断は読者の責任で行ってください。

執筆者の写真tkk-lab

Q646.中国RoHSにおける含有量表示について

2024年06月07日更新

【質問】

中国RoHSでSJ/T11364により含有量表示をしなくてはなりませんが、表に入れる部品名は全部品でしょうか。当社製品は1,000部品近くあり、営業秘密で開示したくない部品もあります。

_________________________________________


【回答】

貴社の電器電子製品が、中国RoHSで規制されている有害物質を含有する部品を使用しているとしても、SJ/T11364で定められている電器電子製品中の有害物質の名称及び含有量等の情報を開示する表に、全部品の名称等を列挙して記載する必要はありません。その理由を以下に解説します。


中国RoHSⅡ(電器電子製品有害物質使用制限管理弁法)の13条で、電器電子製品の生産者・輸入者は、有害物質使用制限表示に関する業界標準(電子電気製品有害物質制限使用標識要求:SJ/T 11364-2014)に従い、その製品に特定有害物質の含有有無等につきマークで表示する義務が定められています。また、RoHSⅡの第3条(5)で定められた有害物質を最大許容濃度以上含有する製品は、含有マークの表示に加え、電器電子製品中の有害物質の名称及び含有量などの情報を表にして開示する必要があります。但し、この表に当該製品の全部品の名称や含有量等を列記する必要はありません。

中国工業情報化部が公開している、中国RoHSⅡの実施に関するFAQ 1) のQ41で「SJ/T 11364-2014では、有害物質の名称および含有量の表示を各部品に対応するよう要求されているが、どのように製品の部品を区分すればよいのか。また、有害物質を含まない部品については、有害物質含有量表に列記する必要があるのか。」の質問に対して、「電気電子製品の種類は多岐にわたり、製品の部品を一つ一つ列挙することは不可能です。このため具体的な部品の区分方法は企業が独自に定めますが、製品のすべての構成部分を含むべきであり、有害物質の含有量を開示する際には、単一の部品(ユニット)または同類の部品(ユニット)を単位として、製品内の有害物質の含有状況を包括的に反映するべきです。また、有害物質を含まない部品は、SJ/T 11364-2014の6.2.2節の表1に含まれる有害物質含有量表に記載することは強制されません。」と回答があります。つまり、表には全部品を列記する必要はなく、ユニット毎に記載するなど生産者側で分割の方法を決めても良いということになります。また有害物質を含まない部品は、記載する義務はありません。

RoHS規制と対応規格は更新されることがありますので、中国電子技術標準化研究所のホームページ 2) などを確認するようにして下さい。


【参考資料】

1)中国RoHSⅡ(電器電子製品有害物質使用制限管理弁法)の実施に関するFAQ 中国工業情報化部

https://www.miit.gov.cn/jgsj/jns/qjsc/art/2020/art_99dbf713fb6943e9b4e025e6b0960da1.html


2)中国RoHS規制と対応規格 中国電子技術標準化研究所

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